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34 :Fate/Rise of the Zilart ◆6/PgkFs4qM:2008/05/22(木) 11 27 53 ――――――――。 唐突だが―――― ジュノのル・ルデ噴水前で開かれた『モンクは馬鹿じゃない』大会に、 全国から四千人の荒くれモンクが集まった。 「スタジアムにご来場のみなさん、こんにちは。 視界いっぱいを占める逞しい上腕二頭筋が、とっても眩いですねっ! 今日、私達は全世界に向けて『モンクは馬鹿じゃない』ことを証明するため、ここに集まりました。 では早速ですが、どなたか舞台に上がっていただけませんか?」 大会委員長のこの言葉に、 群衆の中から一人のミスラモンクがおずおずと進み出て、舞台に上がった。 委員長が訊ねる。 「15+15はいくつですか?」 ミスラモンクは、十秒か二十秒考えてから答えた。 「じゅうはち」 四千人のモンク達は明らかにがっくり来た様子だったが、みんなで声援を送り始めた。 「もう一回! もう一回! もう一回!」 この声援に応え、委員長が言った。 「今日まで私たちは苦労に苦労を重ね、やっと四千人の皆さんをここにお迎えすることができました。 世界中のヴァナディール・トリビューンの記者達が取材に来ています。 そこで、私は、彼らにもう一度チャンスを与えてもいいと思うのです」 そう言ってまた尋ねた。 「5+5はいくつですか?」 今度は三十秒近くも考えて、ミスラモンクが答えた。 「きゅうじゅう」 委員長は困ったような顔をして俯き、大きく溜息をついた。 会場の意気も上がらない。 おまけにミスラモンクは泣き出す始末。 しかし、これを見た四千人のモンク達は、両手を大きく振りながら叫び始めた。 「もう一回! もう一回!」 このまま進むと取り返しのつかないことになるのではと心配した委員長だったが、とうとう口を開いた。 「OK、OK! それじゃあ、もう一度だけ……。2+2は?」 ミスラモンクは目を閉じ、ゆうに一分は考えてこう言った。 「よん?」 スタジアムは大騒ぎになり、 四千人のモンク達は弾かれたように立ち上がり、 みんなで両手を大きく振り始める。 そして――――足を踏み鳴らしながら、叫んだ。 「もう一回! もう一回! もう一回!」 ――――――――。 「度し難い愚挙ではある――――が、 如何様な道も、究めてみれば、見ていて気持ちのいいものよ。 本人に悪気がなければ尚更、な。――――そうは思わんか? 雑種よ」 「すまん、どういうことだ? 俺にはイマイチ話のオチが解らなかったぜ」 「…………」 熱気に包まれた簡易製スタジアムの中で、二人の男が涼しげに立っていた。 一人は吹き荒む風をそのままに、眩い砂金の髪を靡かせ、 魔性の紅蓮を秘める双眸をした、軽装を思わせる黒い上下を纏った青年。 釣り上がった細い眉は果たして彼の不機嫌を表しているのか、微かな険しさが含ませてあり、 がっしりとした体格とは裏腹の細い腕も、心なしか不満気に交差されたままだ。 もう一人は、繊細な美しさを内包する青年とは間逆の、筋骨隆々の厳つい大男。 身形は縦横に伸びた巨躯を助長するかのように、これまた厳しい鎧兜に包まれ、 背中には、その巨大な恰幅を更に上回る編籠を背負っていた。 深い底を満たしていたのは、何に使おうというのやら、剣、槍、斧に始まる刃物の類ばかり。 これらの要素を含めても、青年と大男は、 互いに肩を寄せ合っているのが不思議なほど対象的で、また、異質な存在といえた。 「……まあ、良い。そら、早く案内をせぬか。 こんな所で無駄に暇を費やす程、我の時間は安くなどないぞ」 「オイオイ、お前が見たいって言うから同行したんじゃねえか……。ま、いいけどよ」 尖がる唇をそのままに、 大男はゴツゴツした手を鎧中へと突っ込んで大雑把にまさぐり、 懐から小さな真鍮製の懐中時計を取り出して、目を落とす。 細めた三白眼を凝らして注視すれば、長針は既に、6の数字を横切ろうとしていた。 「ああ、丁度いい時間だ。カザム行きの飛空艇がそろそろ到着する。 これを逃したら、六時間は待ち惚けを喰らっちまうからな。急ごうぜ」 「いいだろう、赦す。王を待たせるという無礼、むざむざ被る訳にもいくまいからな」 そう言い残し、二人は未だ喧騒の止まぬ観客達に背を向け、 ほの暗いエントランスの彼方へと消えていった。 さて、青年と大男――――二人のギルガメッシュの出会いを語るには、 ほんの数刻ほど時間を遡らねばなるまい。 場所は衛宮邸の土倉前。 遠坂凛をはじめとする、衛宮士郎とカレン・オルテンシアの救助に応じて七人が召集され、 異世界への大移動を試みている最中の出来事。 ――――当然だが、彼らはそれぞれ明白な意図の下、それを達するために集まっていた。 いなくなった衛宮士郎との再会を目的とする者。 本来の、もしくは仮の主への忠義を尽くすことを至上とする者。 もしくは、ただ何とはなしについて来た者。 それぞれの思惑が重なり合い、それでも確かに存在したものは、 姿を消した両者へと注がれる憂慮の情に他ならならず、 見方を変えれば、彼らは本懐を同じくする“同士”に違いなかったのだが―――― だが、当のギルガメッシュが参加を表明した理由はといえば、 仮の主へのとりあえずの義理立てと、日常に飽いた己に対する慰めの遊興でしかなく、 そこに他者の介入する余地を交えた“愛”など存在するものではなかった。 あるのはただ、満たされぬ心を満さんとする、欲求の顕れ。 世界を自分の領地と称して憚らない王の、 新たに手に入れた土地の仔細を廻り巡る、確認の儀式。 故に、これから異世界に臨むというのに、彼の王は面持ちを強張らせる他の面子とは趣を異にし、 身を包む空気は、緊張の欠片もない、常時の慢心を存分に露とした態度でしかなかった。 ――――所詮は遊び――――退屈しのぎ――――。 やがてアインツベルンのホムンクルスから配られる黒い水晶を、 蒐集家としての面も有する彼の好奇心が捉え、 果たして自身の財宝に加える価値があるのか算段をし始めたその時。 「妄想心音(ザバーニーヤ)」 赤く伸びた異形の手が、彼の背後に迫っていた。 「……ぬっ?」 何の脈絡もなく現れた賊に対し、咄嗟に天の鎖を取り出し、 王の背中をとる不埒者を縛り上げようとするも――――間に合わない。 油断…………否、慢心。 それでも、己のすぐ真後ろに迫る暗殺者を目にして尚、 彼の胸中には自身の慢心へ向ける猛省など微塵も存在せず、 それどころか、卑賎な雑種に隙を突かれる理不尽さに怒りすら感じていた。 慢心せずして何が王か。 既に一歩前まで迫る死を前にし、だというのに己の不用心を咎めることもせず、 ましてや臆すことなく踏ん反り返るという、常人では考えられぬ愚行の極み。 (何故に我が薄汚い暗殺者に怯えねばならん? やれるものならやってみよ、鼠め!) アサシンの妄想心音は、ランサーの宝具のように幸運値で判定を下されるものではなく、 二重存在を作成させない高い対魔力が必要となってくる。 ギルガメッシュの対魔力は、一応はスキルとして有するものの、Eランク相当。 全ては一瞬の、瞬きする暇すら見出せない、一瞬の出来事。 この場に居合わす全ての者が息を呑んだ。 ただ、狙われている筈のギルガメッシュのみが、荒い鼻息を吐き出し、暗殺者を睨みつけるばかり。 やがて世界は全ての時を減速し、動きを止め、 禍々しい朱に染めた腕だけが、ゆっくり彼の胸元へと吸い込まれていき―――― Ⅰ:王の財宝は我様の物 Ⅱ:王の財宝は子ギルの物 投票結果 Ⅰ:2 Ⅱ:5
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234 :Fate/Rise of the Zilart ◆6/PgkFs4qM:2008/06/11(水) 23 18 31 上目遣いでこちらを見やる眼差しは水面に映る月影の如く不確かで、 図らずとも高鳴る鼓動は一体何を感じ取ってのことか。 温かさを通り越え、はっきりとした熱を宿す炎の肉体。 部屋の中は俺達だけで、とても静かで、けれども全然静かじゃない。 棚や机を橙色に染める火影の揺らぎ音以外に耳元へと届く、 今にも崩れそうに危うい機械の軋み音。 つぶらな瞳は問う。 何故、自分はここまで頑張れるのか、と。 そんなこと――――考えるまでもない。 今も昔も。衛宮士郎の突き動かすモノは、ただ一つだけ。 「それが正しいと信じているからだよ。 誰かが苦しんでいるのなら、誰かが泣いているのなら、俺は手を差し伸ばさずにはいられない。 ああ、俺なんかで誰かが助かるのなら、いくらでも頑張ってみせるさ。 その結果、一人でも多く笑っていられるのなら……この衝動には、抗えない」 十年前、新都を襲った大火災。 街を覆う焔の渦に呑まれながら尚助けを求める人々を、 あろうことか意にも介さず素通りし、見捨てた自分。 いくら後悔しようとも、いくら妄想の中の炎を蹴散らし炎に喘ぐ人々へ手を差し伸べようとも、 過ぎ去った過ちは償われない。 ――――だけど。 それでも、力尽き倒れた俺を心底ほっとしながら抱き寄せる切嗣の姿が、 きっと尊いモノなのだと信じているから。 力の入らぬ拳を握り締め、戸惑う巻菜を直視する。 そう。いつだって、衛宮士郎を突き動かすモノは一つだけなのだ。 「俺、正義の味方になりたいんだ。 正直まだ道程は全然遠いんだけど……でも、ずっと以前に約束しててさ。 いつか、必ず正義の味方になってやるって。そいつの代わりに俺がなるって。 だから、逃げない。この夢は俺の夢でもあるけど、そいつの夢でもあるからさ」 「…………」 「それに、正義の味方は期間限定らしくてさ、年を重ねるとやり続けるのが難しくなるんだ。 なら、今の内に急いで目指さないと危ういだろ?」 微かに冗談混じえて肩を竦ませれば、 ようやっと涙に濡れた顔は笑みを宿し、くすりと穏やかな吐息をこぼす。 そして、その様子を確認してから、彼女に悟られぬよう、そっと胸を撫で下ろす。 やはり、自分のせいで誰かが悲しい思いをするのは、申し訳ない。 「士郎は、いいね。そんな素敵な思い出があって。 ……私は、小さい頃からずっと、嫌な思い出しかなかった。 周囲にいる人達は、みんな、私を惨めにさせるだけの存在だった」 「これから作ればいいさ。俺が居る。莫耶も。バタコも。 カレンだって、いずれ戻ってきた際には協力してくれる筈だ」 「ん……」 俺達は、まだ若くて、未熟で、まだ詰め込む余地がいくらでもある。 喩え己の中には暗い過去しかなくとも、強い覚悟でそれを受け入れ、 弱く情けない自分を乗り越えていくしか仕様がないのだ。 勿論、一人では些か不安であろうとも、 背中を押す助力くらいなら、俺が、俺達がいくらでも手伝ってやれる。 だが、忙しく眼を擦りつけ、再度こちらを見つめる瞳は、 輝かしい活力に満ちたものではなく、言い様のない悲しみを秘めたものであった。 「でも、多分無理だな、私には。だって、私は…………」 「巻菜……?」 続いて瞳は微かな疚しさを含ませ、気まずそうに俺の視線から大きく横へ逸らし、 二の句を継ぐまいか言いよどむ様子を示していた。 やや注意深く観察すれば、言葉のなり損ないである呼気を吐く口元は細かく震え、 俺の腕を掴む掌はじんわりと滲む汗に湿り、明らかに動揺している風である。 彼女の過去……。 今まで行動を共にしてきて無理に問うまいと訊ねはしなかったが、 彼女をここまで苛む源はどういったものだというのか。 他人の言動を模倣せずにはいられない性癖といい、俺は、 久織巻菜が一体どのような人間なのか、初めて彼女の過去を聞き出したい欲求に駆られた。 「……それより、彼らの船に便乗してジュノへと向かうのでしょう? 出航時間も迫っているみたいだし、あんまり待たせるのは悪いよ」 「あ、ああ、そうだな……」 一転、胸元に埋まっていた彼女の頭は俺から飛び離れ、 強い勢いで、あるのはただ岩壁だけの、誰も居ない後方へとそっぽ向く。 聞かれたくないという意思表示なのか、先程までの会話への積極性は影を潜め、 そそくさとした動作からは拒絶すら感じる。 当の俺もそれ以上聞くことは憚られ、殊更無理に追求しようとは思わなかった。 「でも、忘れないでね、士郎」 「うん?」 「貴方が夢を追い求めれば求める程、 貴方自身の大切な、補いようのない大切なものを失う羽目に陥る。 例えどれだけの人を幸せにしようとも、決してそれに釣り合うものなんて得られない。 だから、その限界を示す境界の存在だけは、絶対に……忘れないで」 「…………」 真摯に響く声は、どこか虚しく彼方へと過ぎ去り消えていく。 ……口先だけの返事なんて、出来る訳がない。 背中にはただ悲哀を含めた気配ばかりが漂い、けれども俺は、 それを振り切り、無いものとして看過するしか仕様がなかった。 係船場には…… Ⅰ:紫色の髪をした、一見男と見間違う中性的な女性がいた(水晶) Ⅱ:白い髪に赤い瞳の少女がいた(天杯) Ⅲ:左目に眼帯をした、渋い老躯の老人がいた(亀) 投票結果 Ⅰ:2 Ⅱ:5 Ⅲ:1
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894 :???? ◆6/PgkFs4qM:2008/05/11(日) 22 24 45 ――Interlude リンったら……相変わらず人が良いんだから。 見ず知らずの他人にイキナリ助けを求められ即答してやれるなんて、並のお人好しじゃないわよ? これじゃあ、シロウのことをどうこうなんて言ってられないね。 ……でも、それが彼女の長所な訳だけど。 まあいいわ。早く続きを話しましょう? ――――はじめに説明すると、これから彼女達が進む道は、二つあるわ。 一つはシロウ達の物語。 一万年前の太古より甦りし二人のジラート人。 彼らの目指す真世界への到達。 その従者として復活したクリスタルの戦士。彼らと縁深き関係にあるギルガメッシュ。 連れ去られたカレン。カレンを追うシロウ。 そして、両者の元に分かれ、等しく輝き続けるクリスタルの燐光……。 もう一つはセイバー達の物語。 シロウ達の居る場所より、遥か大きな海を隔てた向こうで紡がれる話。 アトルガン皇国。それを治める空席の聖皇。国に仕える青魔道士達。 皇国を攻める三つの蛮族。 冥府の騎士オーディン。彼の臣下であるエインヘリヤルの戦士。 そして、未だ見ぬ歯車の主。 どちらを選ぶかは自由。 けど、留意してほしいのは、選ばれなかった物語は、後にまた選ぶ機会が用意されているということ。 例え一方が選ばれなかったとしても、再度選択出来る可能性があるということ。 勿論、そこに辿り着くまでには、長い時間が必要なのだけれど……。 さあ、始めましょう。 聖杯と水晶を繋ぐ物語の、第二幕を。 共に見ましょう。 彼らが何を成し、何を目にするのか。 まどろみの中で幻想するのは、吉夢か、悪夢か……。 ――Interlude out. 1群2群、両方に投票してください。 1群 Ⅰ:ジラートの幻影 Ⅱ:アトルガンの秘宝 2群 参戦するFateキャラを選んでください。 『ジラートの幻影』か『アトルガンの秘宝』、どちらのシナリオに参加させるかも表記ください。 一票につき1キャラクター。早いもの勝ち。 “七人”が記載された時点で締め切りといたします。 ジラートの幻影、三人迄。アトルガンの秘宝、四人迄。 それぞれの規定人数を越えて投票された場合、申し訳ありませんが無効票とさせていただきます。 なお、士郎、カレン、セイバー、アーチャーは既に参戦しているので除外とします。 投票結果 Ⅰ:5 Ⅱ:2 ジラートの幻影:ギルガメッシュ,リズ,イリヤ, アトルガンの秘宝:子ギル,凛,桜,ライダー,ランサー
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マーソレウム・ファンタジア 火 ベリーレア 13 呪文 ■自分の超次元ゾーンにサイキック・クリーチャーではないG・ソウルを持つカードがある時、この呪文のコストは1になる。 ■自分の超次元ゾーンにあるサイキック・クリーチャーではないG・ソウルを持つカードを8枚選び、マナゾーンに置く。その後、自分のマナゾーンから、G・ソウルを持つクリーチャーを4体まで選び、バトルゾーンに出す。 (F)「幻想の終わりには、新たな幻想が始まるのです!!」 作者:ペケ サイクルではないですが、ラスト・ファンタジアに対するカウンター呪文です。 マーソレウム=霊廟=神霊廟。 「ファンタジア」呪文サイクル。 スカーレット・ファンタジア チェリーブロッサム・ファンタジア エターナイト・ファンタジア ゼロケルビン・ファンタジア アトミックヘル・ファンタジア ラスト・ファンタジア マーソレウム・ファンタジア 収録 死血編 第四弾 幻想王降臨(ターミネイト・ファンタジア) 評価 名前 コメント -
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Pixivファンタジア ■概要 イラストSNS「Pixiv」で年1度行われるarohaJ氏主催のファンタジーイラスト投稿企画。 毎回大まかな世界設定などは投稿されるが基本は「てきとうでいいのよ」 人物、ギルド、風景、アイテム、生物など多岐にわたるファンタジー世界観を構築する。 ■PC(作成順) ワディ・サラーム ケツァル・サラーム/シン・ナンナ・スーク 源 雷覇 業平/龍騎(りゅうき) 源 雷覇 頼平/慧緑(けいろく) 狂い咲きのホムラ 永劫の書庫守 バフォメット シェシャク・セブンスヘブン 劣火 クロイヌ 焔喰いの 烈火 サルファ
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399 :Fate/Rise of the Zilart ◆6/PgkFs4qM:2008/07/08(火) 21 45 53 ■■■ 「私に出来ることはない?」 鼠の巣より一層暗い伽藍の中、彼女は静かにそう言った。 蓄積された疲労が尚も頭蓋を重く縛りつけ、 満足に顔を眺めることなんてかなわなかったけれど…… でも、あの燦然とした桃色の髪は、あの逞しく伸びた手足は、忘れよう筈がない。 「貴女の助けになりたいの」 「どうして? 貴女が私を助ける理由なんてない。だって、貴女は私達にとって……」 「――――私に出来ることは?」 「…………」 有無を言わさず寄越した言葉は反論を許さぬ迫力に包まれ、 水の如く透明に澄んだ瞳が、二度目はないと静かに告げていた。 罠ではないという保障はない……。 だが、彼女の覚悟を僅かでも感じ取った以上、無碍に扱うのは、 喩えこのような関係といえども失礼に値するのではないか。 緊張から生じる唾を一息に飲み干し、 こちらを射抜く視線に負けじと力を込め、上方に据えられた彼女の顔を睨み返す。 「なら、一つだけ……。これを――――」 体内に残っていた僅かな魔力を集中させ、胸部に触れた掌から淡い光の粒子を生成させていく。 蓄積年月、判明。憑依経験、共感完了。製作技術、解明。 構成材質、解明。基本骨子、解明。創造理念、鑑定完了 慎重に、自身の中身を一つ一つ冷静に読み取り、生み出すイメージの設計図を脳内に描く。 彼以上の投影だなんて望むべくもないが、 せめて体内に埋められた物を抜き取るくらいには、私にだって見込みはある筈だ。 やがて腹部から徐々に取り出されていく青と金で彩られた硬い物質。 全霊をかけた集中の甲斐あってか、奇跡の顕現はここに無事完了した。 「――――これを、ある人の元へと届けて欲しいの」 狼狽することなく佇む姿に微かな肩透かしを覚えながらも、 己の内から生まれた物体を、彼女の柔らかな手に向けてそっと手渡す。 「お願い。何があろうとも、間違えることなく、確実にその人の手元に届けて欲しい。 だから、これより告げる者の名を、決して忘れないで」 桃色の頭部が静かに揺れ、厳かに醸す雰囲気が彼女の責任感を程度を如実に表していた。 そして、それを最後まで見届けてから、 聞き漏らさぬようはっきりと私が口にした名は―――― The 2nd act becomes interrupted. Ⅰ:セイバー Ⅱ:衛宮士郎 投票結果 Ⅰ:0 Ⅱ:5
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193 :Fate/Rise of the Zilart ◆6/PgkFs4qM:2008/06/04(水) 22 37 46 「うおっ、まぶしっ!」 白い頭部――――。 あらゆる角度から見渡そうと、それは確かに白い頭部に違いなかっただろう。 だが、それに秘められていたのは、清涼さを伴う白の穏やかさではなく、 目にした者の網膜を強烈な痛みで以って焼き焦がす、凶悪な白の閃光であったのだ。 そして、それは英雄王の赤い瞳にとっても例外ではなく、 対応が遅れた彼の視界は深い闇に閉ざされ、天地にただ一人存在する王の中の王は 同じく対応の遅れた大男と共に両目を押さえて地にもんどりうった。 次いで、視覚の利かぬ彼の耳に届いてきたのは、どこの誰ともわからない粗野な喚き声。 「みなぎっっっっってwきwたwぜーーーー!」 顔こそ未だ確認できないものの、 推定するに大人のものであろう無邪気な声はまるで思慮のない短絡的な調子に包まれており、 恐らくはその巻き添えを喰らったのであろう、加えて、 今し方子ども達の相手をして心地良い気だるさに包まれた彼にとって、癪に障るには充分すぎた。 「ナイトさん、ちゃんとタゲ固定してください!」 「両手剣やホーリーばかり使ってないで、盾を装備してください!」 「フラッシュ使ってください!」 「目指せ9999ダメージwwwwww あ、白さん、ブライナよろwwwwwwwwwwww」 まだ霞がかった眼をかろうじて開ければ、目の前に複数人で武装した者達の輪が映る。 どうやら襲い掛かってきた魔物と徒党を組んで戦っているらしいが、 先程から彼の耳を穢す不快な音声はその内に含まれた一人の男から齎されているようであり、 整然と洗練された他のメンバーとは違い、際立って不恰好な振る舞いが目立っていた。 「白さんが瀕死です! 早く挑発して敵を引きつけてください!」 「無理wwwwサポシwwwwwwwww うはwwwwwおkkkkwwwwwwwww」 誰が知ろう。 一見キ○ガ○にも見えるこの男が、噂に名高いナイトならぬ“内藤”であり、 著名なアスキーアートである内藤ホライゾン(ブーン)の元ネタであり、 (笑)=w、所謂草を広めるに到った伝道者の一人であることに――――。 ひたすらにテンションの高い内藤の思惑とは裏腹に、 連携の滞る仲間内では被害が広がる一方で、 耐久力の低い者にばかり相手の注意が向く結果、崩壊の一途を辿っていた。 多くの人間が組むパーティ戦において最も重要なものの一つは、 襲い来る相手を瞬時に屠る攻撃力ではなく、あらゆる事態に対応できる魔法や特技の豊富さでもなく、 殲滅までにかかる時間を如何に凌ぐかという鉄壁の如き防御力に他ならない。 どのような状況に陥ろうと、肝心なのは、多くの者が死なずに生き延びるということ。 故に、いくら優秀な砲台や兵士を揃えていたとしても、 城壁脆き要塞がどれだけ容易な存在に堕ちるか、推して図るべくもない。 やや遅れて視覚を回復させた大男が、ふらつく頭を押さえて立ち上がり、隣を見やる。 ……青年の双眸は数分前の児童らに注ぐ慈愛に満ちたソレではなく、 憤怒に燃え上がる紅蓮の炎に包まれており、 静かに彼方に注ぐ視線からは尋常でないものが含まれていると断じることができた。 「あ~……俺、先にウィンダスへ行って、寝床の確保しとくから」 「…………」 投げかけられた声には応えず、大男も無理には返事を待とうとはせず、 逃げるように去っていく背中に一瞥も寄越さないで、英雄王はただ一点のみを冷たく見据えるばかり。 やがて何の合図もなしに当の内藤の傍へと歩み寄り、ニッコリと微笑みながら肩を叩く。 ……これから後の出来事は、殊更に明かす必要はないだろう。 ――――――――。 「ところでさ、お前ってどうしてあんな所に居たんだ?」 窓枠からは仄かな月光が漏れ、 既に沈んだ太陽に代わり、小さな明かりとなって部屋の中を照らしてくれる。 何気なく顔を出して外の様子を窺えば、 喧騒の止んだ街並みからはそれぞれ小さな明かりが燈され、 今まさに慎ましやかなまどろみの倦怠が人々を包もうとしていた。 問いかけは、突然だった。 何の必然性もなければ、何の脈絡もない。 恐らくは、話を切り出した本人でさえ深く考えての行いではなかったのだろう。 彼としてもそんな取るに足らない問いかけに逐一煩わされるのは本意でなかったが、 答えなければ後に五月蝿く喚き散らすに決まっていたであろうから、 仕方なしに付き合ってやることにした。 「唐突だな……。今まで何も訊ねてこなかった貴様が」 「いや、別に訊ねる機会がなかったって訳じゃないんだけどさ。 お前ってすぐツンケンするから聞きづらかったんだよ。稀に意味もなく怒るし」 この言葉を耳にし、英雄王の眉が微かに揺れ動く。 それでも、指摘されたすぐ傍から奴の指摘する怒りを吐き出してしまっては、 却ってこちらの負けかもしれない――――。 そんな彼なりの理由から、咽喉まで込み上げてきた憤慨を一時納め、 とりあえずは寄越された当座の質問に答えることにする。 「意味はない」 「……? いや、意味がないこたないだろう。 胸に傷を負ってるってのに、あんな荒野を一人で彷徨ってたんだ。 何かしら理由があると勘繰るのは当然だぜ」 「くだらんな。そのような低俗な妄想に我を駆り立てるでない。だが……」 途端、脳裏に掠めるアサシンの悦に歪んだ髑髏面。 出発前に不覚にも与えられた一撃を思えば、例え万死を以って償わせようとも、 小汚い鼠に齧られたという抗い難き事実は到底拭えそうになかった。 「……そのことについては触れるな。我の耳が穢れる」 「そ、そうか?」 「そういう貴様こそ、何をしていた。 先程の理を適えるのならば、貴様とて例外ではあるまい」 目の前の男に特別興味を持っていた訳ではなかった。 ただ、これは聞かれてばかりは癪というだけの、意趣返し程度の些細なモノ。 だが、嬉々として自身を語るものとばかり予想していた大男は、常時の枠内に当て嵌まらず、 問いを耳にした途端身に纏う朗らかな雰囲気は消え失せ、 軽く開け放たれた口は重苦しく閉ざし、固く腕を組んで質問に答えかねる様を呈していた。 これにはさしもの英雄王も少々面食らい、ここで初めて彼の内面に興味らしき興味を抱いた。 「……人を、探しているんだ」 「人、だと?」 「ああ。えっと……仲間? 友達? いや、違うな……。 上手く言えないが……ん~、何て言やいいのかなあ……」 珍しく舌の回りが鈍く、話の内容も今ひとつ要領を得ず、 人一倍鈍いこの男にしては、おかしなことに、妙に繊細な部分がある。 だが、口述の裏に見え隠れする確かな親愛の情を、英雄王の眼力は見逃さない。 「とにかく、俺はそいつに会って、もう一度剣を交わしてみたいんだ。 そして、勝ちてえ。一度でいいから、正面から正々堂々と。一対一で勝負して、勝ちてえ」 「……つまり、殺したい相手がいると?」 「違うって! そうじゃなくてさあ……」 言いたいことを形に出来ずに二の句を継ぎかねる大男であったが、 ややあってから目の前の青年が唯我独尊を地で行く輩であることを思い出し、 これ以上の言論は無用と断じ、こちらを見据える透け通った美貌から顔を背けて寝転がる。 そうして数秒の後、聞こえてきたのは鼠も逃げ出す獣の咆哮の如き大鼾。 「――――やれやれ……」 思わずこぼした溜息を引き金に、蓄積していた疲労が一気に体内を駆け巡る。 そして、力の抜けた体を重力に任せて柔らかいベッドへ――――尤も、 彼の知る天上の寝具とは比較にならないほど粗末なものであったが――――落とし、 大の字に広げた手足をそのままに目を閉じる。 疲れた――――。 あの世界での温い“夜遊び”では中々に得難い、ありのままに過ごして得る心地良い疲労。 無論、初めての経験ではない。 かつて数多の世界を旅し、様々な神秘を打ち破ってきたあの頃では、 神の寄越した魔獣を屠り、同じく性懲りもなく寄越してきた神牛を捕縛する等、 それなりに楽しいと思える日々を送ってきたつもりだ。 そして、その隣へいつも並ぼうと躍起になり、 泥より作られた身でありながら、神の子との対等を望んだ愚かなる野人。 結果、分を弁えぬ愚かな所業は、目敏い神々によって罰せられることになるのだが―――― それでも、彼のことを追憶する度に、あの最期の姿が、今も焼きついて離れない。 『何故泣く? 我の傍らに身を置いた愚かさを、今になって悔いるのか?』 『そうではない。この僕の亡き後に、誰が君を理解するのだ? 誰が君と共に歩むというのだ? 朋友よ……これより始まる君の孤独を偲べば、僕は泣かずにはいられない……』 (エンキドゥ……我が終生の友よ……) 悲しみ? 哀れみ? 憧れ? 尊敬? 恐怖? とうに数千年経ったというのに、 あの時抱いた気持ちがどういったものであるのか、彼には判別できずにいた。 それもその筈だ。以降の彼は、このエンキドゥを生涯の友とし、 それ以上心打ち解ける者を求めようとはしなかったのだから。 しかし―――― 巨躯を揺らしながら寝入る大男をチラリと見やる。 「仲間でもなければ友でもない曖昧な関係。けれども勝利を欲して堪らない相手……? 馬鹿め……それこそ何物にも代え難い朋友に他ならぬではないか」 腹の中に溜まった溜息を、勢いに任せて膝元へと吐き出す。 英雄王は、己以上に不器用な男に、心底辟易した。 Ⅰ:その頃のイリヤ達 Ⅱ:その頃の士郎達 投票結果 Ⅰ:1 Ⅱ:5
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261 :Fate/Rise of the Zilart ◆6/PgkFs4qM:2008/06/14(土) 22 48 30 涼やかに吹き荒ぶ大気のうねりが縮れた髪を梳かし、 密生された屑糸を掻き分け、隠された地肌を冷やしめる。 ふと、そんな他愛ない一場面に気を惹かれ、何とはなしに周囲を見渡せば、 じわりと湿度を含ませた風が頬を濡らし、穏やかな波の音色が静謐に耳をノックした。 闇を満たすせせらぎに混じり、鼻腔を刺激する爽やかな潮の臭気。 そして、道端には水溜りも浮かぶ、鼠が住む如く陰鬱とした岩窟の奥に映る、 ちらほらと、しかし、確かな人の形。 海蛇の岩窟――――。 以前俺達が旅をしたミンダルシア大陸の遥か南方、 エルシモ大陸において陸地の大半に密生する大森林の更に奥地、 そこには西端に掘られた長大な岩穴があった。 名前の由来は、岩穴を掘ったとされる獣人サハギン達が崇拝する 巨大な海蛇が住んでいたことに由来するらしいけど、 正直それは今の俺にとって興味ある逸話ではないので、深くは聞いていない。 元の世界では幻想の一種として数えられる怪物、サハギン。 これは完全についでの話なのだけれど、 まるで魚に直接手足が生えた外観に、それに似つかわぬ高い知性を併せ持ち、 他の獣人と比べて流暢な言語を扱うとのこと。 この海蛇の岩窟には強いサハギン達が山ほど居て、 中には話せば分かる友好的な奴もいるらしいのだが、 迂闊に出歩いては骨にされるのがオチという話だ。 尤も、それ以前に、こんな薄暗くて不気味で、 そこら中濡れっぱなしの場所なんて、誰が好き好んで訪れるというのか。 では何故、こんな薄気味悪い場所に人が居るのかだが…… これにはちょっとした理由がある。 「おっ、もう起き上がって平気なのかい?」 思考を一時中断して声の主の方へと振り向けば、丁度帰って来たらしい木造船舶の甲板から、 荷袋を背負った女性が縄梯子を伝い降りてくる途中であった。 さして頑健でもない細い体なのに抱えた荷物は彼女の半分近くの大きさを占めており、 足場の危うさも加わって、余計なお世話だとわかっていても、 見ているこっちとしては非常にはらはらしてしまう状況だ。 もしもの可能性を頭に浮かべてしまった以上、とにかくいてもたってもいられず、 俺は考えるよりも先に、彼女に向けて声を掛けていた。 「サリサさん、危ないぞ! 代わりに俺が持つから、そこから落としてくれ!」 だというのに、俺の言葉を受けた彼女は、 直後拍子抜けしたように呆気にとられ、何が可笑しいのやら、 紫色の髪を棚引かせながら、にやりと頬を緩ませた。 「大丈夫だよ。それに、こんな距離から落としたら、お前の方が下敷きになっちまうだろ? 生憎と、俺はそこらにいる男どもの数倍丈夫に出来ているんでね。力仕事なら任せろって」 「で、でも……」 「そうそう、今日は大収穫なんだ。 デカい商船が船団を組んでいたおかげで、無駄に多く通行料が手に入ったよ。 荷物を全部下ろし終わったら、早速宴会の準備だ。 お前の分も取っといてやるから、参加しろよな」 言い終わるより早くサリサさんは梯子を下り終え、 朗らかな笑みを湛えながら岩窟の奥へと姿を消して行った。 そのすぐ後に、意気揚々と歩を進める彼女に続き、 船内から何人かの逞しい男達が現れ、荷箱を脇に抱えながら大股開きで下り立って行く。 決して日の光の当たらぬ海蛇の岩窟の最奥に作られた町、ノーグ。 人相の悪い男や見慣れぬ装束に身を包む人間が大手を振って歩き、 用途の判明しない種々雑多な道具を詰めた木箱がそこら中に安置されている。 そこに住む全ての住人が他者から財産を奪う海賊行為を生業とし、 禁制された物品を売り捌く密売組織を兼ねた暗黒の町。 そして、俺達がクリスタルの戦士と戦い、敗れ、後に流された場所がここだった。 非合法な暴力行為により罪無き人から金品を奪い、 そうすることでしか糧を得られないならず者の集団。 本当ならこんな悪事見逃していい筈がないのだけれど…… 助けてもらった恩義に加え、あくまでも通行料として積荷の“一部”を要求する行為が、 俺達三人世話になっている手前、 情けない話だが、俺の抗議をぎりぎり咽喉の奥まで仕舞い込ませていた。 「ふう……」 吐く息は少々複雑なもので……。 誰かに依存し続けなければ生きられない人の性を、この時ばかり意識したことはなかった。 「ああ、言い忘れていた」 「うっ」 思わずぎょっとして振り向けば、 視界の端には荷袋を下ろし手ぶらになったらしいサリサさんの姿。 「何だよ、『うっ』って。案外失礼な奴だな、お前」 「ご、ごめん。そ、それよりっ、何か用があったんじゃないのか?」 驚く俺にむっとしたらしく不機嫌そうに顔を歪ませる彼女だったが、 すぐさまお茶を濁したのが功を成したらしく、淀むことなく話の先を進めた。 「いや、ちょっと困ったことになってさ。 参ったことに、今日の戦利品に並ならぬ極上のモノが混ざっていてね。 どうしたものか処分に窮しているんだよ」 「なんでさ? 極上って……そこは喜ぶ所だろ。 ああ、うん。本当なら元の持ち主に返すのが堅気人の行うべきスジなんだけどさ」 俺の言葉を受けて、彼女は『うーん』と重そうに頭を傾かせる。 はて、彼女は一体何に対して戸惑っているのだろう? 本来なら盗られた持ち主の方が困惑するのが常識だというのに、 盗った海賊の方が困惑するだなんて、こんなおかしな話があってたまるか。 「盗ろうと思って盗ったモノなら、俺だって黙って喜ぶんだけどさ。 逆に、盗ろうと思わないのに盗ったモノは、心が受け付けてくれないっていうか…… 俺の長らく経験してきた海賊のプライドが許さないっていうか……」 「何だよそれ。もったいぶるのなら、聞かないぞ」 「それは困る。何故なら先方はお前を指名しているのだからな」 「えっ……?」 「出ておいで」 言ってから、彼女の足元からひょっこり飛び出す季節外れの雪兎。 「あっ」 瞬間、全ての時が止まった。 かつて見た純朴なる眼差しも、穢れを知らぬ無垢なる指先も、 口元に湛えた優雅な笑みも、抱き締めたくなるくらいあの頃のままで―――― 染み一つない白い体表に、目一杯泣き腫らしたかの様な赤い瞳。 そうだ。確かに“それ”は、見紛うことなく、兎に違いなかったろう。 しかし、それならば、目端に浮かぶ輝きは、 笑みの裏に隠された微かに震える唇は、何を意味するというのか。 「…………」 ジメジメとした薄暗さを宿す岩窟とはあまりに見合わぬ綺麗な白に見惚れたから―――― 粗野な印象ばかり漂う海賊の町において、あまりに清らかだったから―――― だが、それだけではここまでの驚愕に身を包むことなどあり得まい。 “彼女”が自分にとって、狂おしいほどに大切な女性だから―――― だから、俺は今、思うまま涙を零したくて、 その小さな体を思い切り抱き締めたい衝動に駆られているのではないか。 「会いたかった……シロウ……」 「イ、リ、ヤ……」 俺の手を掴む指先は冬を示す容姿に違わず冷たくて…… もう一年が経とうというのに、記憶にある姿とは何も変わらない彼女を目にし、 衛宮士郎を守る防波堤は呆気なくも斜に亀裂が走る。 抱き締めたい。以前と同じように、その小さな体を覆い包み、僅かな体温を存分に感じ取りたい。 でも、俺は……。 「……髪、真っ白になっちゃったね……」 Ⅰ:イリヤを受け入れる Ⅱ:イリヤを拒絶する 投票結果 Ⅰ:5 Ⅱ:0
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Fantasy Earth ~The Ring of Dominion~ 2/26~正式サービス開始 製品情報 タイトル ファンタジーアース ザ リング オブ ドミニオン (英字表記:FANTASY EARTH THE RING OF DOMINION) ジャンル MMO アクションRPG×ストラテジー 対応機種 Windows®専用 対応OS:Windows® 2000/XP(プレイオンライン対応ソフト) 発売元 株式会社スクウェア・エニックス 価格 オープンプライス 利用料金 1,280円/月(税込1,344円) コピーライト © 2005, 2006 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. リンク ファンタジーアース公式ページ スクウェア・エニックス公式 Fantasy Earth Wiki 2ch系情報Wiki Fantasy Earth画像掲示板 「自慢の娘&街で見かけた可愛い子」スレは必見! Fantasy Earth Portal 総合情報 ゲブランド帝国ライル様ご尊顔 ___ / ヽ |/^_,ヽ,_ ヽ 从 ゚∀゚)ヽ ヽ 適当だぜ! ( O┬O ヽ ) ≡◎-ヽJ┴◎